第79話――。婚約式を目前に控え、華やかな新型船の進水式へと向かう馬車の中で、アデルの心は過去の記憶と目の前の現実との間で激しく揺れ動いていました。エギルが見せる不器用な優しさと、言葉の裏に隠された本当の温度。(この想いは、後半の感想に綴っています)
ここでは、漫画『上流社会』第79話のあらすじネタバレをはじめ、独自の評価や、登場人物へ、感想や考察、次回展開予想、個人的に鳥肌が立った「あのシーン」をまとめています。
※この記事には79話のネタバレが含まれます。未読の方はご注意ください。
【📊 79話の展開と4つの波紋】
- 【喜】:
自分の名前がついた豪華な新型船が目の前で進水する瞬間は華やかでした。 - 【怒】:
誰も悪くないからこそ、すれ違う二人の状況にもどかしさが募ります。 - 【哀】:
汚されたと思われているかもと悩むアデルと、解体寸前の古い船が重なり切ないです。 - 【楽】:
エヴァが馬車の窓をトントン叩いて外を眺める姿が、日常の小さな光でした。
【📖 79話のあらすじネタバレ】
婚約式まであと8日に迫る中、アデルの名前を冠した新型船「アデレード号」の進水式が執り行われることになります。前日の朝、ホテルを出たアデルを迎えに現れたのはエギルでした。気まずさから顔をそらし合う二人ですが、エギルはそっとハンカチを差し出して彼女を気遣います。
進水式の会場で、華やかな祝宴から少し離れて桟橋を歩く二人。アデルは自分には容姿くらいしか価値がないと自虐的に語りますが、エギルは否定も肯定もせず、その誠実さが逆にアデルの心を揺さぶります。
その後、立ち入りを制限された区域に入り込んだアデルは、案内役の男性から一隻の古い船の存在を教えられます。社交界が始まった頃に「アデル」と名付け直されたその船は、帆がボロボロで女神の彫刻もなく、すでに解体が決まっている不吉な船だと言われており、アデルはその船と自分を重ね合わせるのでした。
【79話のストーリーまとめ】
進水式に参加したアデルは、エルギとの気まずさを抱えたまま“アデル号”の惨状を目にし、自分の価値を見失う痛みと向き合う。
【👥 79話の登場人物】
- アデル:傷つきながらも気高く振る舞う姿が健気で、今すぐ抱きしめてあげたくなります。
- エルギ:嘘をつけない誠実さが裏目に出ていますが、その不器用な優しさが愛おしいです。
- エヴァ:進水式ではしゃぐ無邪気さが、張り詰めた空気の中での唯一の癒やしでした。
【💬 79話のネタバレ感想】
華やかな表舞台の影で、ボロボロの古い船に刻まれた秘められた告白
79話、胸の奥がずっとザラザラして落ち着きませんでした。アデルの心が静かに削れていく音が、潮風に混じって聞こえてくるような回だったんですよね。あの港の空気、湿った木材の匂いと、古びたロープのきしむ音まで伝わってきそうでした。
今回いちばん刺さったのは、エルギの“不器用すぎる誠実さ”です。
ホテルから出てきたアデルを見た瞬間、視線をそらしてハンカチを差し出すあの姿。あれ、優しさのはずなのに、アデルにとっては刃みたいだったんですよね。きっと彼は、傷つけないように気を遣った。でもアデル側からすると、「ああ、やっぱりそう見えるのね」と、自分の価値が汚れてしまった気がしてしまう。あの温度差が苦しくてたまりませんでした。
しかもエルギ、否定が下手なんですよね。あまりにも真っ直ぐすぎる。遠回しな慰めも、器用な嘘も言えない。そのせいで、優しさが時々ごつごつした石みたいに相手へ転がっていく。この人、本当に恋愛向いてないな…と突っ込みたくなるのに、その不格好さが妙に愛おしいんです。
アデルが「顔以外に何があるのか」と自嘲する姿も、かなり重かったです。あれ、多分ただの卑下じゃないんですよね。彼女、自分の価値を“取引材料”として扱われ続けてきた時間が長すぎたんだと思うんです。だから誰かに好意を向けられても、「どうせ見た目でしょう」と先回りして傷つこうとしてしまう。期待したあと裏切られる痛みって、案外、人を臆病にしますから。
これ、少し種類は違うんですけど、昔の自分を思い出しました。若い頃、褒め言葉を素直に受け取れなかった時期があったんですよね。「どうせ社交辞令でしょう」と勝手に壁を作って、相手の気持ちまで疑ってしまう時期。あとから思うと、あれは自信がないというより、“傷つかないための防御”だったんだなあと。
そして最後の“アデル”と“アデル号”ではなく、“アデライデ”の船。
あそこ、ゾッとしました。
ボロボロの帆、女神像すらない不吉な船。華やかな進水式の裏で、ひっそり朽ちていくもう一隻の存在が、まるでアデル自身の過去みたいなんです。表舞台で祝福される「ADELAIDE」と、忘れ去られて解体を待つ「ADELE」。この対比、あまりにも残酷で美しかったです。
たぶんアデルは、あの船に自分を重ねたんでしょうね。名前を変えられ、価値を決められ、都合よく扱われる存在。でも、それでも彼女は沈まない。あの静かな目線に、妙な強さが宿っていて、胸までぎゅっと掴まれました。
本当にこの作品、感情のえぐり方が上手すぎます。静かな回なのに、嵐のあとみたいに心が散らかるんですよね。

チェーザレもエルギも豪華な新型船をアデルに捧げる前から、もしかしたら、ずっと泥臭く不器用に、彼女のことを想い続けていたということなのかな。
【🔮 次回話への予想】
解体寸前の古い船「アデル号」の存在を知ったアデルが、真意を確かめるために一歩踏み出すはずです。エギルもチェーザレもこれ以上自分の気持ちを隠し通せなくなり、ついに二人の間で過去の誤解や秘めていた情熱が爆発するような、劇的な話し合いが行われると予想します。
【✏️ 今回の気にとまったセリフ】

アデルか顔立ちが良いことだけでここまで上り詰めたと思っていて、「…なぜ、顔しかないなどと思うのですか?」このエギル答え、はっきりと否定も肯定もしない彼の不器用な誠実さに、正直「もう、そこは嘘でもいいから全否定してアデルを安心させてあげてよ!」と突っ込みたくなると同時に、嘘をつけない彼のウブさに胸がキュンとしました。
【🌐 原作・海外配信情報】
- 原作作者:Gyeonu 原作名:상류 사회
- Ridibooks
日本での公式配信はピッコマですが、実は韓国の「RIDI」という公式サイトで、数話先のストーリーがフルカラーで先行公開されています。英語、スペイン語、中国語(繁体字)、タイ語、日本語、中国語(簡体字)、フランス語、ドイツ語の8か国で配信されていますが、調べた結果、原作の韓国が最新、続いて英語・日本語の順です。
【🔗 感想記事一覧】
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